よいお年を

2018.12.24

よいお年を

盆と正月が一緒に来たみたい、などと世間では言います。

お盆は亡くなった人を偲ぶ日なので一人でも寂しいと思うことはありません。むしろ、亡くなった人が身近に感じられて、懐かしいような気がします。

けれど、お正月はそうではありません。そして年末年始と時期の近いクリスマスも。

 

クリスマスには、玄関先にリースを飾り、室内にもちょっとした飾りつけをします。いつもよりちょっと贅沢な夕食と、ケーキ、そしてワインでもあれば、おいちゃんと一緒の気分になれるのです。

 

しかし、年末年始は一人で家にいるのが寂しいような気がして、高い料金にもかかわらず、これまではどこかの旅館やホテルで過ごしました。

おいちゃんが亡くなってすぐの年末年始は、予約を入れるのが遅くて、ようやっと田んぼの真ん中の「リゾートホテル」が取れました。混みあうレストランに入るときは、こんなおばさんが一人で来る訳がないと思うのか、はたまた案内の人は「見える人」なのか、

「お二人ですか?」

と声をかけられたものです。

 

次の年末年始は、もうちょっと行動を早くしたので、東北の某温泉旅館を取る事ができました。ここの掃除スタッフは、ちょっとだけドアをノックして、さっとドアを開けてしまうのが気になりました。トイレに入っている時だったら困るもの。

 

その次は満を持して、おいちゃんとよく行った、海外の地を、航空券とホテルをネット予約して、おいちゃんの思い出に浸りました。

オバさんの一人旅、特に海外は、用心深くしなくてはなりません。無事ホテルに入ると緊張が解けるのか、どっと疲れました。

おいちゃんがいるといないとでは、疲れが全然違うと気付きました。

「こんなんでも一応男だから、ハリボテの役くらいには立つ」

と、憎まれ口をたたく私に、当時のおいちゃんはニヤ~ッとしていましたっけ。

 

今回は自宅で年末年始を過ごそうと思います。だんだん一人に慣れてきました。これもいいことのような、寂しいことのような。老人施設に入居している母が、うちに来るので厳密には一人ではないのですが。

 

おいちゃんがいたときは、おせち料理は手作りできるものは手作りして、かまぼこやハムを近所の店で買ったものでした。

今回は面倒なのでネット通販でおせちを取り寄せることにします。以前のおせちは、盛り付けは自分でするようになっていたと思いましたが、それが面倒だと言う人が多かったからでしょうか、今はすでに盛り付け済みの状態で送って来るようです。そうそう、年越しそばも忘れずに。

 

今ではお正月でもスーパーが開いています。だから何を買い忘れたからと言って、気にする必要もありません。便利な世の中になったものです。

 

こんな便利な世の中を、おいちゃんはちょっとだけ、憂えていました。

「正月から仕事する身にもなってみろよ。スーパーの従業員だって、本当はのんびりしたいだろうに。どうしても必要な仕事、例えば病院なんかは仕方ないだろうけど。何より多少不自由な方が正月らしくていいじゃないか」

 

おいちゃん、病院だけじゃなくて葬儀屋さんもだよ。

 

昔は「おせちを食べ飽きた」なんてよく言いましたが、今はそんなことはありませんね。皆様方の家ではどのような年末年始を迎えるのでしょうか?

 

このブログの読者であれば、まだ忌中の家もあることでしょう。忌明けはしたものの、大切な人を亡くした悲しみが、まだ癒えない方もいらっしゃることでしょう。

 

悲しみが早く癒やされますように。どなた様にも、よいお年を。

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このブログを通して、大切な人を亡くし途方に暮れている方と悲しみを分かち合い、亡くなった方への感謝の気持ちを共有する一助となれば幸いに思います。
~雑草のようにたくましく生きる

畦道なずな

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